グリーグ その生涯と音楽 音楽之友社

音楽之友社から「グリーグ その生涯と音楽」が、発売になりました。

グリーグ その生涯と音楽 音楽之友社 販売価格6510円



音楽之友社
グリーグ その生涯と音楽

グリーグ(Edvard Grieg, 1843-1907)の没後100年にあたる2007年に、本国ノルウェーで出版された伝記の日本語版。出世作のピアノ協奏曲や、国民的人気を獲得するに至った《ペール・ギュント》の音楽、生涯にわたって書き続けた十集からなる《抒情小曲集》といった名作を生み続けたこの作曲家の60余年の生涯を共感をもって追っている。作品にまつわる折々の作曲家の姿を、ノルウェーの自然や風土の中で丹念に描いたことで、「現代のグリーグ演奏につながる質の高い評伝」との評価を得た1冊である。著者が長年奉職したエドヴァルド・グリーグ博物館をはじめとする関係機関から提供された豊富な図版は、いずれも貴重で、しかも質が高く、本書の価値をますます高める特質のひとつである。

[目次]
はじめに

 グリーグの日記を道しるべにローマを散策する

エドヴァルド・グリーグの最初のローマ旅行
 当時の偉大な芸術家たちとの出会い

「音の国の魔法使い」としての生涯へのアウフタクト
 「きみは芸術家になるためにライプツィヒへ行くのだ!」
 少年時代
 ノルウェーの「大都市」ベルゲンからヨーロッパの主要都市ライプツィヒへ
 「……青年の受けた印象には偽りはない」
 「家に帰って練習せよ!」
 芸術家の大望が病に打ち勝つ
 性格――成績評価の他にも

ピアノ協奏曲イ短調op16
 ひとつの芸術作品――ひとつの偉大な思考
 グリーグ・モティーフ――ノルウェーの地の宝石
 独自の描出法による青年の理想
 始まる前に完成、しかし進行中に磨かれた

ペール・ギュント
 「あらゆる題材の中で最も非音楽的なもの」が不滅の名声を獲得する
 ペール・ギュント――ビョルンソンとイプセンの狭間で
 ローマで生まれた共同制作の案
 共同制作への誘い
 ペール・ギュント初演に先立つ両親の死
 おそらく見つからないであろうオーケストラへの音楽
 王の町でのペール・ギュント
 イプセンとグリーグ――距離を置いた友情
 黄金の作品
  ・朝の気分
  ・ドヴレ山の王の広間にて
 二人の女性像――母オーセとアニトラ
 第二組曲op55――続く成功

ハルダンゲル ――エドヴァルド・グリーグの中年期
 芸術家夫妻
 エドヴァルドのそばで
 クリスチャニアからの脱出
 フォルゲフォンナ氷河の明るいが厚いカーテンに覆われて
 ニーナはハルダンゲルからベルゲンへ
 ベルゲンとの出会い
 人生のよりどころ
 ト短調の大作品
 バラード ト短調op24
 「ある生涯の作品」
 善行
 前代未聞の試み

抒情小品集Ⅰ
 生命のフリーズ
 祖国の歌の誕生

トロルハウゲン――「私の最高の作品」
 自宅への引っ越し
 作曲小屋
 良き隣人たちとともに

抒情小品集Ⅱ
 トロルハウゲンの抒情的な調べ
 音楽のある、音楽のための部屋
 シンプルなアルプス交響曲
 憧れ
 トロルハウゲンの婚礼の日

歌曲――もうひとつの生命のフリーズ
 尋常でない婚約の贈り物
 ビョルンソンとともに民族ロマン主義の中へ
 イプセンとともに偉大な戯曲から親密な感情へ
 「私は望める以上のものを得た」
 円熟期にドイツの詩へ
 同時代の北欧の抒情詩による歌曲
 胎内の音楽の世界
 「私が書いた最高の歌曲」
 多声楽曲

最高級の室内楽
 夏の風の中の二つのソナタ
 新しい夏のソナタ
 そのソナタはどのように聞こえるか?
 熟した果実
 アンダンテ、クアジ・レントのペガサスとともに
 「……ノルウェーの古いチーズのように未完成」

民俗音楽
 ピアノなしの大胆さ
 「……私の犯したい罪!」
 しかし、民俗音楽を作ることはグリーグの意図だったか?

政治意識の高いグリーグ
 グリーグとドレフュス事件
 「人はまず人間であらねばならぬ」

詩篇op74
 民俗音楽素材への最後の没頭と少年時代の宗教心への回帰
 魅了された心と批判的観察
 疑念と信仰についての考え
 作品自体

あとがき
訳者あとがき

ノルウェー民俗音楽用語解説
原書に掲載されているディスク一覧/参考文献
年譜
作品番号のない作品
作品一覧
作品索引
固有名詞索引

【著作】 アーリング・ダール 著/小林ひかり 訳
【価格】 ¥6,510 (本体¥6,200+税)
【判型】 A5・384頁

コメント